「造影CTの基礎」
長野赤十字病院 八町 淳 先生
今給黎総合病院
新村 栄次
5月31日に九州で初めて、九州CTフォーラム、九州CT研究会が開催されました。出席者が約340名と大変多く、CT装置の関心の高さを感じました。
現在MDCTの登場により、高速で広範囲かつ高分解能な画像が得られるようになっている。また、検出器の多列化が進み、サブセコンドで広範囲の画像が得られるのである。これによって、実質系の精密検査としての多時相撮影や、3DCTAの診断能が、飛躍的に向上したと思われる。しかし、最適な画像を得るためには、装置の性能を把握し、検査部位や検査目的に合わせて、再現性の高い、造影検査を行う必要がある。
今回特別講演で、造影技術での研究では、国内はもとより海外にも評価されている、長野赤十字病院の八町淳先生に講演していただきました。個人的には、八町先生とは、同級生で、久しぶりに再会して友好を深めることができました。講演は、血流ファントムを用いた実験検討と臨床症例からのデータから解析された、造影の基本、TDCの変化、TDCの補正、についての内容でした。どのようにすれば最適なタイミングで造影検査をし、最適な画像を得ることができるか、理解できたと思う。目的に合わせた造影剤量を体重にあわせて、一定時間(mgI/ Sec・Kg)で注入しTDCを再現することが重要である。もし理解できなかったことは、八町先生の著書、「CT造影理論」を再度読むことで理解できると思う。CT装置の進歩にしたがって、われわれ放射線技師も撮影技術の向上に向けて、努力していかなければいけません。九州CTフォーラム、九州CT研究会を通して九州の放射線技師が臨床現場での技術の向上に、大いに役立つもと考えています。